- パワハラに耐えられない、もう仕事辞めたい(退職したい)、、、
- でも会社を辞めるって判断は正しいのかな?
- 勢いで辞めたらまずいかな?
本記事の内容
- パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞める前に知っておくべきこと【最終確認】
- パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞めるべき理由
- パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞めるにあたってやること
こんにちは、taroです。
私は、公務員時代にパワハラを受けながらも辞める勇気が持てず、1年以上耐えてうつ病を発症した、いわば失敗作です。
そのため、当時の自身を振り返り、「パワハラ被害者のベストな行動は何だったのか…」、そんなことを長い間考えてきました。実のところ、当サイトを立ち上げた最大の理由は「パワハラ被害者の今後に向けた最適解の提示」です。
そして、パワハラに関しては特に一方的な個人的主張や中途半端なことを書きたくなかったので、被害者複数名に取材を重ねきました。
この記事は、そういった被害体験・知見に基づき書いています。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞める前に知っておくべきこと【最終確認】
前提の結論として、パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人は、会社を辞めてもいいです。むしろパワハラは仕事を辞める最たる理由です。
ただ、パワハラ被害者にとって知っておくべき手段がいくつかあります。
そして、パワハラは被害状況等によって採りうる手段が異なります。
退職後、「辞める前に知っていれば…」そんなことにならにように、もれなく確認していきましょう。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞める前に知っておくべきこと:①強い客観的「証拠」は武器になる
パワハラの「証拠」を残せるか、一度検討してみましょう。
なぜなら、証拠があれば今後選択肢の幅が増えるからです。
パワハラの解決が困難な理由として、「パワハラ事実の認定が難しい」ということがあります。
パワハラ事実がはっきりすれば、会社も対応せざるを得ないし、状況によっては裁判に持ち込むこともできます。
客観的証拠として比較的有効とされているものは下記です。
- パワハラ発言の「録音」
- 被害状況が分かる「写真」
- パワハラ行為を裏付ける「書面やメール等の履歴」
- 被害状況の詳細な記録(手書きの「日記」等)
- 医師からの診断書
逆に、証拠として客観性に欠けるものは下記です。
- 一人だけの証言(本人・知人等)
- 詳細に書かれていないメモ等
あなたが直面しているパワハラ被害の行為内容に合わせて、証拠収集できるかを検討してみましょう。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞める前に知っておくべきこと:②今の職場が好きなら「相談」での改善を検討する
パワハラで仕事を辞めたい・退職したい…そうは思っても、本当は職場が好きで、パワハラさえなければ辞めたくない、そんなときは「相談」という改善策も一度検討しましょう。
なぜなら、会社によっては異動等の対応をしてくれる場合もあるからです。
社内にパワハラ等の相談窓口があれば、検討してみましょう。
ただし、残念なお知らせがあります。それは、相談したことが社内で筒抜けになりやすいということです。
表向きは秘密厳守を謳っていても現実はわりと残酷なようです。
特に、社長からのパワハラ、相談窓口の担当者と仲の良い人間がパワハラをしている場合は要注意です。
そんなときは、社外の相談窓口もあります。
パワハラ等職場トラブルの相談先として、
- 総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局)※会社に対しパワハラ事実の調査を行い、事実があれば会社に指導等を行います
- 法テラス(日本司法支援センター)※法的見解の相談に乗ってくれます
- みんなの人権110番※人権問題について相談に乗ってくれます
といった窓口もあります。
ここも注意が必要です。上記の中で今後の環境改善に役立ちそうな労働局でさえ、会社への調査が入ります。場合によっては社内での立場が悪くなる可能性もあります。
社内も社外も、結局のところ相談窓口は微妙です、、、(´・ω・`)
「一人で悩みを抱え込まない」という意味での「信用できる誰かに相談」はいいと思います。
あくまで、「本当は今の職場に残りたい」人だけ参考にしてください。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞める前に知っておくべきこと:③精神的に不安定なら「休職」を優先する
すでにうつ病等の疑いがあるなど精神的に限界が来ている場合は、退職の前に「休職」を優先させましょう。
なぜなら、この場合の最優先は「療養」だからです。(※会社に休職制度があるかは要確認)
退職後は色んな不安に直面します。それに加えて心身の回復が必要となると大変です。そこは会社の休職制度を活用し、療養に専念しましょう。
パワハラで休職した場合に知っておくべきことは下記です。
「傷病手当金」の申請
心療内科等で医師の診断を受け、就業困難の診断書が出た場合は「傷病手当金」を申請しましょう。
「傷病手当金」は健康保険加入者を対象としているので、ほとんどの会社員に適用されます。
支給内容は、給与の約6割、最長1年6ヶ月、医師が指示する療養期間の範囲内で退職後も支給は続きます。
「就業不能」や「就業困難」等と記載された診断書を会社に提出しましょう。ほとんどの会社が手続きをやってくれます。
「労災」の申請
パワハラ被害による病気の場合、「労災」を申請するという手段もあります。「傷病手当金」に比べ保障は手厚いです。
支給内容は、給与の約8割、治癒・症状固定まで、退職後も支給されます。
ただし、労災申請にはデメリットもあります。
何より認定率が低いです。そして申請から認定までの期間も半年から1年程度と長いです。
労災申請は会社を通さず申請することも可能ではありますが、結局のところ「業務上」の病気、つまりパワハラを会社に認めさせる必要があるので、かなり難航します。
休職してからも会社とのやりとりは当然あります。そこで関係が険悪だと何かと不自由です。
私個人的には「傷病手当金」の支給範囲内で療養にあたる方がいいのかな、と思います。
裁判(法的責任の追及)
精神的実害がある場合、会社や加害者に対して法的責任の追及、つまり「裁判」を起こすことも手段としてあります。
パワハラの行為内容は様々ですが、慰謝料請求という民事責任の追及が主になります。
強い客観的証拠を持っていて、「パワハラをどうにか認めさせたい、白黒はっきりさせたい」という人は、裁判という手段もありかもしれません。
裁判を考える上で、
- 判決までの期間が長い
- 弁護士費用がかかる
- パワハラという特性上勝率が低い(暴行・傷害等の身体的被害は比較的認められやすい)
という側面があることは意識しておきましょう。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞めるべき理由
上述したように、パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人は、会社を辞めていいです。そして辞めるべきだと思います。
主観的見解も若干ありますが、複数のパワハラ被害者と対話をしていく中で、それは確信しています。
会社を辞めるべき理由について、少しお付き合いください。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞めるべき理由:①パワハラの非を認めさせる非効率さ
パワハラを受けると、やっぱり悔しいです。
どうにかして加害者や会社に非を認めさせたいと思ってしまいます。
ですが、パワハラ事実の認定は本当に難しいのです。
なぜなら、パワハラの定義そのものが曖昧だからです。
パワハラ防止法の施行により被害者有利になるかと期待したものの、蓋を開けてみれば、加害者の弁解カタログが仕上がりました。
あまり強い主張はできませんが、日本はパワハラ「被害者」を守るというよりも、訴訟が多くなるリスクを避ける考えのようです。
なので、パワハラの非を加害者や会社に認めさせようと思っても、そもそも認定が難しいです。その労力がとても非効率、、、それならスパッと別の会社に移った方が賢明です。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞めるべき理由:②強い客観的証拠を集めることは大変
とはいえ、パワハラ行為を裏付ける強い客観的証拠があれば、事実認定にグッと近づきます。
パワハラをはっきりさせるには、「証拠」が最重要となります。
ただ、この証拠を押さえるという作業自体が大変で、時間もかかります。
身体的攻撃(暴行や傷害等)であれば証拠収集も比較的容易かもしれません。
パワハラ被害による心身の影響は、繰り返されればされるだけ、期間が長ければ長いだけ深刻になっていきます。
そのような状況下、ダラダラと証拠集めをするのは危険です。
なので、あなたが直面しているパワハラの行為内容をよく見定め、証拠を残すことが容易なのかを考えましょう。困難であればそこに労力を割くことが賢明とはいえません。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞めるべき理由:③もはや上司も会社も好きになれない
今後も働き続けたとして、もはや上司も会社も好きになれないと思います。
それぐらい、パワハラは非情です。
パワハラ被害特徴の一つとして、「自責の念に駆られる」ということがあげられますが、それは間違っています。
被害者は100%悪くないです。悪いのは完全に加害者です。パワハラを生み出した会社システムです。
私が対話してきた被害者の中に、パワハラを受けても時折見せる上司の優しさに翻弄され、最終的にうつ病になった人がいました。長い間その上司のことを深く恨んでいます。
ほかに対話した被害者もそうです。誰一人として当時の上司や会社に良いイメージを持っていません。そして皆退職していますが、後悔したのではなく、解放されたという認識です。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞めるべき理由:④最優先は自身の「安全」と「将来」
パワハラ被害者数名で対話を重ねた結果、辿り着いたのはこれです。
最優先事項は、自身の「安全」、そして今後どうしていくのか「将来」についてちゃんと考え行動すること。
そうなると、「会社をできるだけ速やかに辞めて離脱し、次に移行する」、こういうことなのかなと思います。
めちゃくちゃ堅苦しい結果になりましたが、満場一致でした。
パワハラについて白黒つけたいとか、できるだけ多くのお金を貰いたいとか、そういった感覚で進んでいくと、本当に大切な自身の「安全」と「将来」をないがしろにしてしまいます。
裁判起こしたり会社にパワハラを主張したり、そういったことに注力した結果パワハラを認めてもらえない、、、無駄な時間と労力を使ってしまった、、、そんな人もいました。
弁護士費用を無駄に払い、会社とのやりとりにも苦労し、転職活動も遅れ、、、残った感情は虚しさと悔しさだけ、、、そう話していました。
パワハラを受けている人にとって何が大切なのか、そう考えると、
- 今後の影響を最小限にするために自分を守ること
- 将来について最適解を見つけ行動すること
だと思います。
考え方は人それぞれですが、パワハラ被害にあうと感情が振り回されがちなので、自分にとって大切なものを今一度考えてみましょう。
そこで「やっぱり会社に残った方がいい」という選択肢はないように感じます。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が会社を辞めるにあたってやること
パワハラで会社を辞める人が退職・転職についてどう行動すればいいのか、最後に話していきたいと思います。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)と思っても、基本的に即日退職は避けましょう
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)と思っても、基本的に「即日」退職は避けるべきです。
なぜなら、勢いで退職しまうと「収入が途絶えるリスク」「焦って転職先を軽率に決めてしまうリスク」が生じるからです。
うつ病等の疑いがあって早期に環境離脱が必要なら、休職制度を活用しましょう。
感情的になる状況ではありますが、取材した被害者もこの意見に同意する人ばかりです。
パワハラなんですから「上司のために」「会社のために」行動する必要はもうないです。「自分のために」何が合理的かを基準に行動しましょう。
【最適解】は「証拠を集めながら転職活動を行うこと」です【断言】
長々なりましたが、最適解はこれです。
証拠を集めながら、在職中に転職活動を行うこと。断言します。
その理由は下記です。
- 会社での意識を証拠集めに向けることで、パワハラ被害時、心を奪われにくい
- 運よく強い客観的証拠が残れば、選択肢の幅が広がる
- 次の働き方に目を向けることで、会社・パワハラ加害者への依存度を下げられる
- 在職中であれば収入が途絶えないので、お金の不安をあまり考えなくてよい
- お金の不安が少なければ、その分慎重に転職先を探すことができる
- 緊急的に退職しても、それまでの転職活動が活きてくる
転職活動については「仕事を辞めたいなら転職先が決まらないままの退職は絶対回避【断言】」という記事で、自分が求める会社に辿り着くための具体的方法をまとめています。この記事に書くとボリュームが膨大になるので割愛させてください…ペコリ(o_ _)o))
何より大切なのは、自身の「安全」と「将来」です。
今パワハラで苦労しているのに、ブラック企業やストレスフルな会社への転職は絶対に避けたいところです。そのためにも上記記事を参考に、できるだけ効率よく転職活動を行いましょう(`・ω・´)ゞ
※ただし、繰り返しになりますが、うつ病の疑いがある場合は優先して医師の診断を受けましょう。そして休職制度を活用すべきです。
パワハラで仕事を辞めたい(退職したい)人が、どうしても即日退職したいなら円滑に、「失業保険」を受給しましょう
最後に、「それでも、どうしても即日退職したい!」という人がいるかもしれません。それはそれで答えだと思います。
その場合は、円滑で確実に退職して「失業保険」を受給しましょう。
使える制度は、ちゃんと使いましょう。(※求職の意思・勤務年数等の条件があるので要確認)
住民票管轄ののハローワークで手続きができます。
ここで少し補足があります。
失業保険の優遇(金額や期間等)のために、会社を辞める際に「自己都合退職」からパワハラによる「会社都合退職」にしようとする人がいます。
その後転職するつもりなら、この考えは全くもって賢明ではありません。
「パワハラによる会社都合退職」となれば、会社にパワハラ事実を主張して退職していることになります。会社倒産等の理由とは意味合いが異なります。
これは転職活動時に影響がでます。「会社都合退職」という経歴が残るのです。
パワハラだと記録されていなくても面接等で質問を受けますし、確実に警戒されます。そこまで考えた上で「会社都合退職」を主張するのか判断しましょう。
ーーー【追記】ーーー
筆者はパワハラ被害で長く苦しみ、当時のことを記事にしています。
もし興味があれば、ご覧ください。
≫パワハラ被害者のその後【辛い経験だったけど幸せをくれました】