職場の上司から他人と比較されたときって、けっこう傷つきますよね。
「同期の〇〇はできたのに、君は何でできないの?」
「同期の〇〇は君よりかなり進んだ仕事をやってるよ!もっと頑張りなさい!」
「〇〇は仕事できるのに、君はいまひとつだな。」
「もう君はやらなくていいよ。〇〇に頼んだから。」
自分が努力していないのであれば言われても仕方ありませんが、自分なりに頑張っていれば、「そんなこと口に出さなくてもいいだろう。言われなくても頑張るよ。」と思ってしまいます。
そんな上司の下で働くのってとても疲れます。
そんな発言が繰り返しあれば、もはやパワハラの行為類型「精神的な攻撃」に該当しそうです。
しかし、よくよく考えてみると、人は頭の中で他人と比較することをやっています。
要は、それを口に出すか出さないか、なんですよね。
親が子に言ってしまいがちな発言態様です。
親に他人と比較されて頭にきた記憶があるかもしれません。
こういったことって大人になってからもあります。
ただ、上司と部下の関係でこれをされると、何だか人格を否定されたような気分になって不快な気持ちになりますよね。
「他人との比較」はパワハラとしての立証が難しい
パワハラとは、職場における優越的立場を利用したいじめ・嫌がらせ行為を意味します。
個人的に「他人との比較」は、いじめ・嫌がらせになる、つまりパワハラに当たると思います。
私がパワハラを受けてきた背景には「他人との比較」が存在していました。
具体的には、ほかと同じことをやっても「評価しない」という方法です。そして、それを本人だけでなく周りにも示すことによって「他人と区別」するやり方でした。
チーム5名で行った成果を皆に公表する際に4名だけの名前をあえて出す、とかですね。(これ数十回されました…)
とても精神的に追い込まれます。
ただ、「他人と比較」という行為だけではパワハラの立証が難しいと思いました。そういった判例が過去になかったのです。
いっそのこと、身体的攻撃をしてもらった方がパワハラの立証ができるのでいいな、とすら思ったほどです。
「他人との比較」ではパワハラ立証が難しいといいましたが、精神的にはとても追い込まれます。特に下記のような場合は注意しましょう。
その①:他人と比較され、人間関係を切り離されるケース
- 一人だけ別室に席を設け、ほかの従業員から切り離される
- ほかの従業員全員が参加する忘年会・送別会にわざと呼ばれない
- 話しかけても無視されたり、直近であるにもかかわらず他人を介して伝達される
その②:他人と比較され、過小な要求をされるケース
- 本来の業務を与えられない(草むしりばかりをさせられるなど)
- 「お前はもう仕事をするな」と言われ、仕事を与えることなく放置される
上記行為はパワハラ6類型の「人間関係からの切り離し」「過小な要求」に当たる可能性が高いです。
もしも、このような状況下にあるとしたら一人で悩むことなく、まずは誰かに相談し対策を講じましょう。
他人と比較されたときに考えるべきこと
他人と比較されたとき、自分の精神状態をどのように定めておくか決めておきましょう。
相手に振り回されていては、仕事になりません。
他人と比較されたときに考えるべきこと①:嫉妬をしない
まずは、比較された他人に嫉妬しないことです。
多くの人に嫉妬心というものは芽生えます。
しかし、上司から比較されたことで、その他人への嫉妬へと変わってしまっては、他人の成功を羨(うらや)む思考になっていきます。
かといって、その他人から目を背けるというわけではありません。
そのような事実を自分の中で一旦受け止め、自己成長のために努力する熱量に変えれば、それは有益なものになります。
他人と比較されたときに考えるべきこと②:比較すべきは理想の自分
自分がどうなりたいかを考えましょう。
当然現状よりも優れた理想の自分になっているはずです。
そして、理想の自分が比較された他人より優れているのであれば、もはやその他人は自己成長の通過点です。
他人が先に成功したとしても、理想の自分を目指しているのであれば、他人の状況に気持ちを左右されません。
ただ、あなたが理想の自分に向かって努力しないことには、他人との差はひらくばかりですので、努力し続けることは大事になります。
そして、得意分野を見つけて磨くことが、あなたに自信を与えます。
苦手分野を克服することも必要ですが、得意分野で一定の成果が出れば、周りはその分野であなたを頼りにするものです。
それに、得意なことであれば努力を継続しやすく、また、これが磨かれればあなたに似合った印象を形成してくれます。
他人と比較されたときの対処法
ここで意識しておいてほしいことは、基本的に上司は、「早く仕事を覚えてほしい。」「早く一人前にしたい。」という気持ちで指導を行います。
ですので、他人と比較されたからといって一方的に上司を批判しても自己成長を妨げます。
ですので、まずは良好な人間関係を築いて、少しのミスであれば大目に見てもらえる環境を作ることが望ましいです。
しかし、いたずらに嫌味を込めて発言する上司もいます。
このような場合、もはや嫌味(攻撃)を受け止めないようにしましょう。
嫌味を受け止めて、気持ちを左右されても疲れるだけです。
明らかに嫌味で他人と比較されているのであれば、「この上司、未熟な人だな。」と思い、ロボットのように「はい。了解です。以後気を付けます。」などと相槌(あいづち)を打っているように見せましょう。
場合によっては、聞いていないふりだったり、スルーしましょう。
しかし、あまり露骨な態度だと、上司からの攻撃がひどくなる可能性もあります。
ですので、状況をみて判断しましょう。
他人との比較が酷いなら環境を変えるべきです
上記のとおり考え方や対処法を述べてきましたが、
- 自力で対処しても改善されない
- 周囲に相談しても改善されない
- 今の環境から離脱したいと強く思っている
そうであれば、その職場にすがり続ける必要は全くありません。
思い切って転職した方がいいです。
そうでないと、メンタルは持ちません。
自分がやりたいことを見つめ、そこに飛び込む方がよい人生に向かいます。
ーーー【追記】ーーー
筆者はパワハラ被害で長く苦しみ、当時のことを記事にしています。
もし興味があれば、ご覧ください。
≫パワハラ被害者のその後【辛い経験だったけど幸せをくれました】