本記事は、過去に私(筆者)が「曖昧な指示」ばかりする上司に悩まされ、その後、その上司が別の部署でパワハラ処分を受けた話です。
「曖昧な指示」は、部下が感じるストレス要因の中でもよく取り上げられるものですので、悩んでいる方も多いと思います。
筆者の例ですが、共感してもらえる方もいるかと思い、記事にしてみました。
先に話しておくと、「曖昧な指示」だけをもってパワハラに該当するという解釈は難しいと思います。
しかし、その背景にはパワハラ気質が潜んでいる可能性があります。
そういった視点でこの記事を読んでいただけたらと思います。
曖昧な指示ばかりする上司はその後パワハラで処分された【体験談】
その上司とは入社1年で同じ部署となり、私はその上司から指導を受けることとなりました。
その上司は私と顔を合わせ軽い挨拶が終わると、「お前はある程度仕事できるのか?」と尋ねてきました。
入社1年目の私は、仕事にも少し慣れてきた感覚はありましたが、やはり難しい課題や応用の効く仕事をこなすまではいかなかったので、そう正直に答えると、その上司は険しい顔をして「わかった。」と答えました。
数日間仕事をしていくうちに、少し難しい課題の業務がその上司に回ってきました。
資料をしばらく眺め、机に置き、また資料を眺め、・・・。
そして、退社時間間近になって、その資料を示し「これ(当該業務)のいきさつ聞いてたでしょ。俺、別の仕事が入ったから、これ明日までにやってて。」と言ってきたのです。
たしかに、デスクが近かったため、業務依頼があったのは知っていましたが、依頼側の意図や細かいやりとりは分かっていません。
ですので、内容を確認しようとしたところ、「それは資料に書いてあるから。」とだけ言い、退社時間になると、「よろしくな!」と言って帰ってしまいました。
指導の一環だとも思いました。
上司が退社した後に資料を確認しましたが、当時の私にとってはかなり難しい課題であったため、頭を抱えていたところ、それに気付いた先輩の助けもあって、その日のうちにある程度の資料を作り上げました。
翌日、資料を手直しして上司に確認したところ、「後で確認しておく。」とのことで受け取ってもらいました。
しかし、上司がその資料を依頼側に提出したところ、ダメ出しを食らったようで、明らかに怒った様子で私のところにやってきて、「何これ、全然できてないだろっ!」と怒鳴りました。
依頼側が指摘した訂正部分を見せられ、「お前は根本的に分かってない。ちゃんと確認はしたのか」と…。周りに人がいたこともあって凄くはずかしい気持ちになりました。
何よりも、手伝ってくれた先輩の立場を考えると、申し訳ない気持ちで仕方ありませんでした。
とりあえず、上司には「すみません。」を連呼し、資料を再度作成しました。
その上司からは具体的に何がダメだったのか言われなかったものの、依頼側が訂正内容を丁寧に記載してくれていたことにより、その後は無事提出できました。
上司は私に対してかなり怒っていたので、その後仕事をお願いされることがなくなるかもしれないと思いきや、同じような場面はすぐに起きます。
しかも、日にちが経つにつれて、その頻度は高まっていきました。
私も上司が依頼される業務内容の型が徐々に分かってきたこともあり、あまり指摘を受けなくなっていきましたが、それでも、依頼側からの訂正が入ると、決まって怒りながら戻ってきて、「お前まだ分からんのか!」とお叱りを受けます。
しかし、かといって改善策を示してくれる訳でもない。
多少道筋を示してきても、何せ「曖昧な指示」しかしないのです。
業務手順や注意すべき点を示してくれるだけでもかなり助かるのですが、何もかもがぼやけていて、具体的に確認すると、言っていることがコロコロと変わったり、不機嫌になったりするのです。
そして私は、資料を上司に渡すとき「確認お願いします。」と一言いれることにしたのですが、それでも資料をちゃんと読まずに提出していました。
その上司は、私が作った資料であっても、そのことは伝えずに自分(上司)が作り上げた資料として毎回提出していましたので、そうであれば、ちゃんと確認くらいはすべきだと不満は募る一方でした。
しかし、ある資料を提出していた際、依頼側が直接上司のところにやってきて、比較的大きな指摘を受けたところ、上司は「ん!?これ〇〇(私)が作ったよな。」と言い、そこは完全に私のミスとして依頼側に頭を下げることになりました。
たしかに私のミスであることは間違いないので、怒ってもどうしようもないのですが、本来その上司の仕事であるのに、全く責任を取ろうとしないその態度に憤(いきどお)りを感じました。
しかし、そういった日々が続いていきます。
そもそもの仕事量が上司よりも明らかに多く、そこに上司の仕事までやっていたので、2時間前に出勤し、3、4時間残業という状態が続きました。
さすがに、上司から明確な指示をもらった状態でなければ、一から考えて資料に落とし込む作業は効率が悪すぎると思い、(上司が不機嫌になることも覚悟で)毎回作業の道筋を確認するようにしました。
ところが、上司は「あのマニュアルで確認して。」、「前にも同じようなことがあっただろう。」、「自分で考えろ。」などの返答ばかりで、各案件で注意点や方向性があるにもかかわらず、それを示さずに業務を託す、つまりは丸投げです。
私は、その上司が明確な指示を出してくれたらもっと作業時間が削れるのにと日々思っていました。
このときのストレスはかなり高かったと思います。
幸いにも、上司は1年で別の部署に異動することになり、私の悩みも解消されたわけですが、それから数年して、この上司がパワハラで処分を受けたというのです。
聞いたところによると、処分の内容が、部下への叱責が度を過ぎていたこと、部下に責任を押し付けていたこと、だったそうです。
これを聞いた私は、「ちょっと待てよ、何か自分の状況と似ているぞ!」と思いました。
パワハラの程度がどれくらいだったのか分からなかったため、私の状況と比較できませんでしたが、少なくとも、その上司がパワハラ気質だったんだなと、当時私は思ったのでした。
パワハラ気質だった(曖昧な指示ばかりする)上司の特徴
上述したように、とにかく上司は仕事を丸投げするタイプでした。
そして、指示を出すにしても、言っていることがコロコロ変わるし、内容がぼやけている。
また、依頼側からの指摘を受けると、後になって感情的にダメ出ししてくる(後出しじゃんけんでケチをつけられるのはストレスフルでしたw)。
仕事に対する責任感がないため真剣に考えることなく、頭の中で業務の方向性や注意点を整理していない。
だから、部下に仕事を任せるにしても、明確な指示を出せず、質問されると答えを持ち合わせていないので行き詰まり、感情的(不機嫌)になる。
この上司はこのような特徴を持っていました。
パワハラ処分を受けたときには、上記の感情面が強く表立ったのかもしれません。
曖昧な指示は、理解できないゆえに大きなストレスを与える
曖昧な指示では受け手が理解できません。意味がわからないのです。ストレスでしかありません。
なぜなら、受け手は曖昧な指示によって必要以上に頭を回転させなければいけなくなるからです。
極端にいえば、指示をしない方がストレスは少ないし、マシです。
上司はとりあえず指示をすればいいのではなく、軸や目標となるものを明確にすべきです。
なので、指示を出す立場である以上、明確に指示できるよう努力は必要ですし、指示ができないなら正直にそういうべきだと思うのです。
あなたを悩ます上司は、
- 仕事を部下に丸投げする
- 無茶な要求をしてくる
- 言っていることがコロコロ変わる
- 責任を部下に押し付ける
- 後になって細かいことを言ってくる
- 具体的な確認をすると不機嫌になる
- 難しい課題に直面すると感情的になる
- 「そんなことは自分で考えろ」というスタンス
といった特徴を持っていないでしょうか。
曖昧な指示を出されるだけでもかなりのストレスになる上、感情的に叱責されればその苦痛は大きく、程度によってはパワハラに該当することもありえます。
上司を改善させたいと思っても、今までそのようなやり方で職場の地位を獲得しているわけですから、そう簡単に改善は見込めません。
対策としては、あなた自身がなるべくその上司と距離を置くことが賢明ですが、環境を変えられない場合は、信頼できる先輩や上司に相談するなど、解決策を見出しましょう。
ーーー【追記】ーーー
筆者はパワハラ被害で長く苦しみ、当時のことを記事にしています。
もし興味があれば、ご覧ください。
≫パワハラ被害者のその後【辛い経験だったけど幸せをくれました】